京丸園株式会社

察報告書

議員名 浜崎太郎
視察日時 平成25年8月8日木曜日 13:00〜15:20
視察先 京丸園株式会社 静岡県浜松市南区鶴見町380-1
面会者 面会者:代表取締役 鈴木厚志 様
視察項目 水耕栽培事業の中で多くの障がい者雇用を達成している取り組みについて
視察
目的
水耕栽培で障がい者や高齢者の働き場を作っているユニバーサル農業の取り組みとその手法を調査することを目的とする。

 

京丸園株式会社の鈴木社長は17年前から障がい者雇用を始め、現在は67名の社員中、22名が障がい者と高齢者である。もともと、障がい者雇用を行うつもりはなかったが、障害を持つ子の保護者や、特別支援学校の先生からの勧めで実習から始めたところ、障害を持った人たちにも分かるやり方、出来る方法で農業を行えれば可能であることを理解したそうです。また、この手法を広く用いることで、お年寄りから子供までが参画できる農業が展開できているという。この手法を「ユニバーサル農業」と名付け、静岡県や浜松市が一緒になり、積極的に活用を進めている。特に、行政の窓口は福祉部門よりも農業、産業、経済の各部門が福祉を捉えるという考えが前提にあり、障がい者雇用をするだけでなく、その商品を積極的に販売し、ユニバーサル農業を確立、継続していくことに重点を置いている。

水耕栽培のハウス内での障がい者の仕事の一部に清掃があるが、行き届いた清掃でハウス内の害虫や病気が減り、農薬の削減につながっているとのこと。障害を持つ人は比較的ゆっくりとした動きの人が多いことで、鈴木社長はゆっくり動かして害虫を捕獲していく「虫取り掃除機」を機械メーカーと開発した。

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これが虫取り掃除機

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すくすくと育っています。

ハウス内はとてもきれいです。

ハウス内はとてもきれいです。

整頓もされています。

整頓もされています。

この機械の導入で農薬代、散布にかかる人件費が削減でき、また何より購入者に安全安心の野菜を届けられるようになり、売り上げアップにつながっているとのこと。 以上の点よりユニバーサル農業を推進していくことは経営や運営など、多角度に良い影響を与えている。

出荷準備中です。

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障がい者も一緒に作業しています。

障がい者も一緒に作業しています。

視察の感想・所見

TPPの問題など、農業を取り巻く環境は非常に複雑化し、将来展望が見えにくい。一緒に視察することになった千葉の農業高校の先生は、「今、農業で生徒たちに夢を描かせることが何なのか見つからない」と言われた。そう言った中、安定した生産・出荷のできる水耕栽培、そして担い手不足が唱えられている日本農業の中で、障がい者や高齢者の能力を活用するユニバーサル農業は今からの日本の食料自給率を上げ、世間から必要とされる立場になると感じる。都心でも栽培可能な水耕栽培を行うことで、超高齢社会での高齢者の職の場となり、また障がい者の職場となることで、地域貢献が十分にできるのではないか。鈴木社長は、今後、農業法人が社会福祉法人を設立し、参入していくことは十分考えられると言われている。また大手企業などは、障がい者の法定雇用率の要件クリアの目的もあるため、今後は障がい者・高齢者と農家、そして設備投資などを担う企業が一緒になってユニバーサル農業を進められていくことになるのではないかと感じている。福岡市内でも十分、可能な事業だと思う。

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