社会福祉法人 はらから福祉会 障害者施設 蔵王すずしろ

察報告書

議員名 浜崎太郎
視察日時 平成24年4月19日(木)
視察先 社会福祉法人 はらから福祉会 障害者施設 蔵王すずしろ
宮城県刈田群蔵王町遠刈田温泉字七日原1-729
説明者 理事長 武田 元様、  所長 小石澤 邦彦様

 

はらから福祉会では現在、8か所の施設に306名の障害者が在籍している。職員は90名。

その他、グループホームを9軒運営している。

「はらから」とは、障害の有無、またその軽重に関わらず、人は皆、母親から生まれた同じ人間。同じ人間として地域で普通に暮らしを送れるように支援していこうという思いからつけたとのこと。そして障害があっても働き、生計を維持し社会的な役割を担い自己実現を図っていくことを目的としています。

現在、視察した蔵王すずしろでは豆腐作りを基本に、福祉の既成概念にとらわれない企業的な経営努力で、事業を展開している。

 

 

蔵王すずしろ

蔵王すずしろ

忙しい搬出が始まる

忙しい搬出が始まる

豆腐工場

豆腐工場

湯葉工場

湯葉工場

蔵王すずしろの売り上げは年間一億五千万円、グループ全体で約五億円を売り上げている。豆腐以外の商品も多彩である。油揚げ、湯葉、かりんとう、煎餅、お惣菜、さつま揚げ、レトルト食品、ラーメン店の経営、こんにゃく、古着販売など。

高い品質を武器としているはらから豆腐は一丁400グラム210円と少し高めであるが、原料に契約農家から宮城県産大豆のミヤギシロメを仕入れ、凝固材は昔ながらのにがりを使って生産し、はらから独自のマイルドな味に仕上げている。今や顧客は地元スーパーや百貨店、全国にも顧客を持つ。現実に訪問中、朝8時過ぎというのに出荷の商品箱詰めが大忙しであった。

また、蔵王すずしろは2005年に「フランチャイズ事業」を始め、全国の障害者施設に豆乳を卸売りし、豆腐作りのノウハウを提供する「手作り豆腐工房」を展開している。提携先は北海道から九州まで40か所以上ある。

全国に顧客を持つ主な理由は、はらから福祉会を開業当時から支える「はらから会」の存在である。昭和59年に45名で発足して以来、会員数は増え続け、現在、全国に1300名を超えていて、大きな後援団体となっている。利用者の生活向上を目指し、商品の購入や施設整備、運営など財政面で応援する考え方が浸透していて、永年ボランティアの精神にも繋がっているそうだ。

武田理事長は、今後の目標として、利用者全員に平成25年度時給700円を支払い、売り上げ10億円を目指したいとのこと。

視察の感想・所見

お話を伺った、武田理事長と小石澤所長からの「高い工賃を払う」という意気込みを感じた。それは障害を持つ人も社会の一員であり、分け隔てなく社会参加するべきであるというお二人の強い思いからである。また、売り上げや工賃も常に高い目標を設定し、それに向って努力を積み重ねる姿勢に学ぶべきことが多い。

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